BEAST POLICEⅢ
止むを得ず。

「オルロフが、ある女性を殺害している事がわかった」

倉本はポツポツと話し始める。

「女性?」

巽が言った。

殺されているのは決して軽視してはならない事だが、オルロフほどの残忍な男ならば、1人や2人殺していても何らおかしくはない。

だから問題は、その女性が何者なのかという事なのだろう。

「殺されていたのは、千尋という女だ。殺害時期は約3年前」

「3年前っていうと、倉本さんが警視庁を一度辞めた頃スね」

以前も述べた通り、倉本は警察組織と暴力団との癒着を暴いた事から本庁内部で孤立し辞職している。

その頃に、千尋という女性はオルロフに殺害されていたという。

< 124 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop