コールセンターの恋愛事情
男はわたしたちがさっきまで座っていた椅子とデスクをドアの方へと運んでバリケードを作った。

何?

一体何だって言うの?

突然の事態に、わたしと内場さんはどうすればいいのかわからなかった。

猟銃を持っている男はイライラしているようで、あまり刺激を与えない方がいいと言うことを理解した。

――そして、今に至ると言う訳である。

男の手によってカーテンを閉められてしまったせいで、外の状況が全くわからない。

時計に視線を向けると、午後2時を過ぎていた。

2時間が経っていたと言うことはわかるけど、男は一言もわたしたちに声をかけようともしなければしゃべらなかった。

時間が経つにつれて男からイライラがだんだんと消えているのはわかり、わたしたちもようやく状況を理解して気持ちが落ち着いてきた。
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