コールセンターの恋愛事情
「は、初めまして…須知紬です」

わたしはペコリと頭を下げた。

「初めまして、どうぞよろしく」

辻本さんも会釈をするように頭を下げた。

「あの部署なんですけども、どちらの方に…」

そう聞いたわたしに、
「ああ、すぐ目の前だよ」

辻本さんが指差した。

目の前?

そこに視線を向けると、プレハブのようなものが建っていた。

へえ、そんなところにあったんだ…じゃなくて、あれが配属先の部署ですか!?

「ウソでしょ…」

何があって本社から離れているうえに、あんなにも質素なんだ…。

「どうぞ、もう1人が中にいますので」

辻本さんがプレハブの方へと足を向かわせた。

ああ、やっぱりそうなんですか…。
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