チョコレート×キャンディ
私が立っているのは、校門。
彼は数メートル先。
まだ彼は私に気づいてないみたい。
ちょっと寂しい。
でも、いいんだ。
私は知ってるから。
少し焦りながら、すぐにいつもの笑顔で駆け寄ってきてくれることを。
その笑顔を見る前に、目を見開いて右を見てみる。
緑色のフェンスの向こうには、私の前にある校舎よりも綺麗な真っ白い校舎。
その下には、焦げ茶色のあまり高くないボロボロな倉庫。
横にはもう花びらをつけている、早咲きの大きな桜の木。
彼と私は、あの桜の木の下で、
お互い涙を流して、
お互いを通じ合った、
思い出が残る場所。