みんな、ときどきひとり

「ひとりなんて、つまんないじゃん」

「でも、良く思われてない子といるより全然いいよ」

「わたしと一緒にいたくないってこと?」

「うん。友達やめていいから」

その冷え切った目を見て、何も言えなくなって黙ると、

「もう話すことないよね?ごめんね。ありがとう。心配してくれて嬉しかった」

立ち上がった梨花はドアの方へとゆっくり向かった。

「ひとりなんか簡単に言わないでよ」

「えっ?」

「わたしは……わたしは嫌だよ。ひとりなんか嫌」

わたしの言葉に梨花が背を向けたまま、立ち止まる。

「わたしは、誰かと繋がってるって思いたい。ひとりだなんて絶対、思いたくない」

言いながら、彼女の背中を見つめた。

彼女の小さな肩には降り積もった寂しさがある気がした。

見えないから、そう感じた。

だって、なんか哀しい。ひどくひどく哀しい。

「梨花が、どれだけ辛かったなんてわたし、わかんないけど。
今もひとりだなんて思わないでよ。
わたしは、亮太のことが好きだったよ。
確かにひがんでたよ、梨花のこと。
大好きな亮太と付き合えて羨ましくて、憧れてて。
自分が惨めで……惨めで仕方なかった」

「そっか。やっと言ってくれたね」

「だけど……だけど、わたしたちの3年間って、それだけじゃなかったでしょ?
色んなことしてきたじゃん。
色んな話してきたじゃん。
亮太の話をしなかったかもしれないけど、わたしはちゃんと梨花と付き合ってきたつもりだよ。
だから、喧嘩できたんだと今は思ってる。
それなのに、ひとりだなんて思わないでよ」

拳に自然と力が入ってた。

< 190 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop