みんな、ときどきひとり

「そうですね。子供なんかあやせないし」

「ふふ……うん」

「でも無理に笑うとか、好きになろうとか好かれようとか面倒くさいんで、このままでいいやって感じですけどね」

「じゃあ、一生子供と和解できないねぇ」

嫌みのつもりで言ってみた。だけど、そんな言葉聞こえてないのか、窓の外を黙って見ていた。

今度は、シカトか。嫌みにもならないな。言い負かせられないのが悔しいけど。

ゴンドラは一定のリズムでゆっくりと上を目指してあがっていく。

窓から外を見下ろすと、さっきいた女の子のいた列も皆がいるはずのお化け屋敷も小さくなっていた。

「上がって来たね」

「ですね」

「すっごい小さな世界だよね。上から見下ろすとさ」

反対の窓からはわたし達の住む街並が豆粒のように広がっている。

「水城くんちはどっちのほう?」

「緑町だから、あっちですね」

「緑町なんだ。競技場の近く?」

「そうですね」

彼は、その方向を見つめた。
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