幸せって、なに

困惑の日々

 産院での毎日は生き地獄だった。

他のみんなは幸せそうに
赤ちゃんと過ごしている。
泣き声が聞こえる。
耐えられなかったから早く退院したかった。
ひとり何もする事がなく
ずっと泣いてばかりいた。

ノックする音がして祖母が入って来、
また泣いている母親を見て言った。

「思う存分泣けばいいわ。
でも泣いてばかりいたって何もならないわよ。
お前がそうしている間も
まきえは生きようと頑張ってるのよ。」

そう言われてハッと気が付いた。

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