エリート同期は意地悪がお好き

司side

家に帰った俺は、珍しく晩御飯の用意をした。珍しすぎて、驚いた朱莉が言う。

「司がこんなことするなんて、明日は槍が降るね」

って。朱莉は俺が料理をできないと思っていたんだろう。独り暮らしも長いのだから、料理位するっての。と、突っ込みたくなったが、それはあえて、ご飯と一緒に飲みこんだ。

「俺が片づけするから、お風呂どうぞ」
「…司、大丈夫?熱でもあるんじゃない?」

「…お前なぁ」

呆れながらそう言う俺に対し、朱莉はクスクスと笑っている。

…その笑顔を見ただけで、怒る事など忘れて、俺まで笑顔になってしまう。

…両手に皿を持ち、キッチンに向かおうとすると、朱莉が俺の名を呼んだ。

それに応えようと振り返ると・・・・。

朱莉が俺に背伸びして、不意打ちのキス。

驚いて固まる・・・。朱莉からのこんなキスは初めてで。

「…ありがとね、司」

そう言ってはにかんだ朱莉は、恥ずかしさを紛らわすように、そそくさと逃げ出し、バスルームに消えて行った。

「らしくないことしちゃって」

なんて言いながら、顔が勝手に緩む。

…俄然、夜のご奉仕を頑張りたくなった。という事は、朱莉にはヒミツ。
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