エリート同期は意地悪がお好き

司side

…今朝から、俺は朱莉と共に出社するようにした。朱莉は、異動の件で、俺に迷惑がかかるといけないから嫌だと言ったが、それだけは譲らなかった。

…少しでも長く、朱莉の傍にいてやりたかった。

笑顔は絶やさないが、時々不安そうな顔をチラつかせる。

その不安を、少しでもとってやりたくて。

「おはよ…あれ?今日は珍しい組み合わせだな」

俺の隣のデスクの奴に言われる。

「…これから毎日一緒に出社するんだよ」
「…て、え?お前らってもしかして?」
「…そう、そのもしかして」

「つ、司!」

俺の爆弾発言に、一同が驚いている。まぁ、一番に驚いているのは、朱莉みたいだけど。

俺の背中を叩いた朱莉の顔は、真っ赤っか…面白くて笑いつつ、その顔を他の奴らに見られたくないと思ったり。
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