エリート同期は意地悪がお好き

朱莉side

あー、行ってしまった。心の拠り所である司は、営業部に戻ってしまった。

…当たり前なんだけど、司だっていつまでも、こんなところで油を売ってるわけにはいかない。

そんな事は分かっているのに、このアウェー感が半端ない。

幾度も、仕事の書類を届けた事はあったけど、大した話をする訳じゃなかったし…

それに、女子社員の数が多い。

いや、これがまた当たり前なんだけど。営業部が、特別男だらけだっただけで。

「斎藤さん!」
「ひゃっ!…はい、なんでしょう?」

突然後ろから声をかけられ、驚きの振り返る。…そこには同い年くらいの女子社員が、ニコニコ顔で立っていた。

「…斎藤さん、こちら、人事部の桜井純子さん。わからない事だらけだろうから、しばらくは桜井さんの下で、仕事を覚えて下さいね」

桜井さんの横に立ち、そう言ったのは、黒川部長。

「…ぇ、はい。よろしくお願いします。ぁ、私、斎藤朱莉です」
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