エリート同期は意地悪がお好き
「…朱莉ちゃんね?よろしく、私の事は、純子でいいよ。多分、同期だと思うから。入社式の時、貴女を見た事あるから」

そう言って屈託のない笑みを浮かべた純子。…サバサバしてて、話しやすそう。

この日から、私はしばらく残業が続いていた。…事務処理の量が半端ない上に、覚えなきゃならない事が多すぎる。

「そんなに無理して仕事を覚えなくていいんだよ?少しずつでいいんだから」

心配そうな顔でそう言ったのは、勿論純子。

「…ううん。そういう訳にはいかないから。…急な異動で、皆んなに迷惑かけたくないし」

「…まぁ、確かに、急な異動だよね?別にミスした訳じゃないし、男女問題も無いんだし…上層部の考えてる事なんて、私にはわからないけど。でも!朱莉ちゃんは、気に入ったから、よしとしとこう」

そう言って、純子は笑った。

…アウェー感は相変わらずだけど、仲良くしてくれる人もいると思うと、なんとかなりそうだと思った。
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