『短編』恋する街角
『ここ、寄るぞ。』
彼がジュエリーショップへとわたしの手を引いた。
『ここ…?』
『指輪。好きなの、選べよ。』
彼は変わらぬ照れた顔で笑う。
『お揃いのやつを、さ。』
わたしは彼の顔を見た。
『彩。結婚しよう。』
そう言って彼はわたしの手を強く握った。
わたしは泣きながら、彼に笑顔で頷いた。
そっと彼に寄り添う。
彼とわたしの影がひとつになり、足元で揺れていた。
一ほら…やっぱり、運命だったんだ一
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