それは危険なラブミッション
全身布で覆われた私は完全に不利。
かといってルイのように脱ぐわけにもいかない。
プールに落とされた弾みで脱げた片方のミュールのそばへ、まだ私の足に残っていたもう一方をポーンと投げる。
泳ぎは得意な方じゃない。
水を抱えた洋服ごと、歩いてルイを追いかける。
けれど、10メートルほどのプールだというのに、なかなか追いつかない。
モタモタしているうちに、ふとルイの姿が見えなくなってしまった。
……どこ?
静まり返ったプールに、さっきまでいびつな形をしていた月が綺麗な半円を描いていた。
ルイ……?
そして、後ろを振り返ったときだった。
突然、水面深くから飛び上ってきたルイに驚いて身体が硬直する。
「――っ、ビックリさせないで」
満足気に笑うルイ。