それは危険なラブミッション

「……それで、ルイはどこに行こうと?」

「岬のところに決まってるだろう」


面白くなさそうに言う。


「でも、どこにいるかなんて……」

「GPSだ」


サラリと言う。
私に渡した携帯に付けていたということだ。
つまり、ルイには私がいつどこにいるか、全て掌握済みというわけだ。


「それで、莉夏はどうしてここへ来たんだ」

「そんなの……ルイに会いに来る以外にないじゃない」


岬さんにあんなことを聞かされたから、いてもたってもいられなかった。
会いたくて会いたくて。


「鳥居さんとの結婚話が出てるって本当?」


回りくどく聞いている余裕はない。
ストレートにぶつけた私の質問に、ルイの眉毛がピクリと動いた。
明らかに動揺している様子だった。

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