忘 恋
八章  絶対に護る

俺と雫は、次の日
翔に起こされた。
雫は、パニックになっていたが‥‥
俺は、そんな雫を見て

「ククッ。」
と、笑っていると
翔は、びっくりした顔で‥‥‥
雫は、怒って
「もう、笑ってる場合じゃないから。
それに翔君、留衣はこんな人よ。」
「だって、パパ笑った事ない。」
「ああっ?」
「今からは、いっぱい笑うよね、留衣?」
「お前が、いてくれたらな。」
と、言った。

翔は、何も気にしている
感じではなかったから
着替えて、朝食を三人で食べた。

そこに、姉の心咲が
「あっ、心咲ちゃん、
けんちゃん、大丈夫?」
「あっ、うん。翔、心配かけたね。
ごめんね。で、なぜ、雫先生が?」
「雫先生は、パパの看病に。」
「えっ、留衣?」
「ああ、風邪だ。心配ない。
それと、雫は、俺の女だ。」
「えっ、女?」
「おはようございます、心咲さん。
それに、留衣、ちゃんと
説明しないと、
心咲さん、わからないよ」
と、言った。

留衣は、ああ、と言って
今までの経緯を話した。

すると、心咲さんは
「留衣の大切な人は
雫先生の事だったの?
あの時も、私に相談して
くれたら、良かったのに。
今度、お父さんが、そんなこと
したら、許さないから。
安心してね、雫ちゃん。」
と、言ってもらい
「はい、ありがとうございます。」
と、お礼を言った。
心咲さんの言葉が嬉しかったから
「心咲、今度同じ事が
あったら、俺は、迷わず
雫を選ぶ。
雫と翔と静かに暮らしたい。」

「そうね。
貴方は1度大事なものを
失ったんだから
好きにしなさい。
でも、ただでは、させないから。」
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