忘 恋
九章  ご挨拶

社長室を出ると、
親父の秘書の青木が、
「よろしかったですね。」
と、言うから
「ああっ、お前が、母さんに
連絡してくれたのか」
「はい、奥様に言われていましたので。」
「ククッ、ああ、ありがとう。」
青木は、冷酷と言われる俺が
笑ったり、お礼を言ったのに
驚いたみたいだ。
「副社長をそのようにした
女性に私も是非、お会いしたいです。」
「ああ、連れてくるよ。
俺の最愛の女をみてくれよ。」
青木は、なぜか、赤い顔をしていたが‥

俺は、雫にメールした。
《夜、家に来るように。》
仕事終わったら、メールみるだろ。
あいつが、どんな顔するか楽しみだ。

西野は、
「上手く、言ったようで
よかったですね。
おめでとうございます。」

「ああ、ありがとう。
  さあ、仕事片付けるか。」
と、言い、西野に
「はい、沢山、溜まってますよ。」
と、言われながら
取り掛かる。
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