焦れ甘な恋が始まりました

　


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現在彼と婚約中で、寿退社の決まっている後輩である容赦のない小出ちゃんと――――そんな話をしてから早2ヶ月と少しが経った。


つまり社長と夜の未遂事件が起きてからも、早2ヶ月。



「それにしても、寿退社前に新施設オープンを見届けられるから良かったです。気持ち良く退社できるって言ったら変ですけど、最後の仕事だと思うと、いつも以上に気合いも入りますし、会社のターニングポイント的な場面にも立ち会えそうで嬉しい」



そう言って笑うのは幸せ満開の小出ちゃんで、小出ちゃんのその言葉通り……会社では、この数ヶ月で大きな変化があった。


夜の未遂事件の次の週の火曜日、各部署の長から新施設についての正式な発表が行われたのだ。


ついにこの日が……なんて内心思いながら、以前社長が聞かせてくれた新しいコンセプトを、総務部長から改めて説明された時。


あの夜の海で聞いた話が本当に現実のものになるのだと思ったら……なんだか、無性にドキドキしたのを覚えてる。