黒いジャージ ~先生と私~


「ありがとな。何よりも嬉しい言葉だよ」


黒いジャージのポケットに手を入れた先生は、ニヤリと笑った。

「これ、秘密だぞ」

私の手に乗せられたのは、いちご味のキャンディーだった。

「誰にも言うなよ」

そう言って、もうひとつのいちごキャンディーを先生が食べた。

「学校でそんなの食べていいの~?しかも授業中だよ!先生、不良だ~」

「不良でいいもん。先生って、ストレスたまるんだよ。お前みたいなガキ相手にしてたら疲れるから、これくらいいいだろ」

ふーっと吐いた先生の息は、いちごの香りがした。

「私も食べていい?」

「バ~カ!お前は、帰ってから食べろ。あ、帰り道でいいかな」


勝手に頭に手、乗せないでよ!

少女漫画とかで良く見るけど、私全然キュンとしないし。

頭ポンポンとか、全然嬉しくないし!



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