好きの代わりにサヨナラを《完》
翌日、莉緒と一緒にランチすることになった。

莉緒に『美味しいお店ない?』って聞かれたけど、普通のお店じゃ東京に敵わない。

あたしは地元では有名な回転寿司店で、莉緒と待ち合わせることにした。

全国どこにでもある安いチェーン店とは違って、地元の新鮮な魚を使った少し高級なお店だった。

和風なお店の看板の前で、あたしはスマホを握って莉緒が来るのを待っていた。

しばらく待っていると、サングラスをかけた莉緒がタクシーから降りてきた。

私服でも完璧なコーディネートで長い髪をなびかせて歩く莉緒は、どこから見ても芸能人だ。



「ほのか、久しぶりー」

莉緒はサングラスを外して、笑顔であたしに手を振る。

実家に置いてあったジーパンと中学生の頃愛用していたダサいTシャツを着ただけのあたしは、莉緒と並んで歩くのが少し気まずかった。
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