好きの代わりにサヨナラを《完》
「辛いだけならアイドル辞めて、こっちに戻ってこいよ」

蒼がそう言ってくれるなら、戻ってきてしまいたい。

だけど、あたしはまだうなずくことができなかった。



「あとさ……俺、まだお前の返事聞いてない」

「何の……?」

本当はわかってるのに、あたしは気づかないフリをした。

あたしは、まだ蒼とちゃんと向き合うのが怖かった。



「言わせんなよ……」

蒼は困った顔で、頭に手をやる。

しばらく考えてから、あたしをまっすぐ見据えた。



「俺は、ほのかのことが好きだ」

今度は、もう逃げられない。

あたしは慌てて視線をそらした。
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