♡放課後みすてりあすいーつ!♡

燕尾服を着た執事さんらしきおじさまに連れられ、姫宮邸に足を踏み入れる。

高い薔薇の植え込みで外からは見えなかったけど、学校の体育館三個分くらいありそうな豪邸と、広い敷地。

綺麗な花がたくさん植えられてる上、駐車場に停まってる車も外車みたい。

せ、セレブすぎる……

のんびりした京都弁混ざりの綺鳴からは想像し難いほど綺麗な家だ。

「た、タイム……噴水があるよ……」

美色があまりの豪華さにビビりながら、庭の真ん中を指す。

ギリシャ彫刻みたいな人魚が石に腰かけて水瓶から水を零してるデザインの噴水があった。

うわぁ……高そう……

思わず頬が引き攣る。

「時音ちゃん!美色ちゃん!ようおこしやす〜!」

聞き慣れた声が聞こえてきた。

「「綺鳴!!」」

私服姿の綺鳴が、玄関前で手を振っていた。

私服といっても、ブラウスにフレアスカートという上品なお嬢様風のスタイルだけど。

あ、お嬢様風っていうか、お嬢様か。

「あとはうちが案内しはるから、下がってええよ」

「かしこまりました」

執事さんは一礼してから去っていった。
< 33 / 204 >

この作品をシェア

pagetop