僕は介護職になりました。
  僕が26歳の時に中絶をさせてしまった彼女とお別れしました。3年のお付き合いでしたが、彼女の事が好きだった。無責任で勇気のない僕に愛想を尽かし、最後の方は喧嘩ばかり。でも、やっぱり本音は好きだった。

 少し距離はあったのだが、彼女と別れた寂しさを誤魔化す為にも中学校の同級生達と休みの度に遊んでいました。

 同級生達に本当に救われました。心の穴を埋めてくれ、楽しませてもらいました。そして昔から遊んでいた同級生にいつしか恋心を抱き、28の時に告白。お付き合いし程なくして同棲へ。

 彼女は30歳前には結婚したいと節々で話していた為、真剣に考え始めました。当時、写真撮影が趣味になっており、初めて写真家になりたいという夢を持ちました。

 市場で働きながら面接を受け続けましが、写真家の見習いは年齢制限も多く、その他私自身の要因も色々あり惨敗。

 そんな中、久しぶりにあったドン君という友人。彼が4年前からディサービスで働いていたのは知っていた。彼と食事をしていたときに写真家に中々なれないと相談をしていた所、「お前性格介護職向きだからやってみれば?今からうちのディサービス見学しに行かないか?」と誘われ、流れで見に行くことに。

 移動中も『介護かぁ~給料安いし、汚いし、キツい仕事だよな。夢ねーな。』と心の中で思っていました。

 ディサービスに到着し、中に入ると高齢者の方達が一斉に僕達を見ました。すると歓声が湧き、ドン君が高齢者の皆に歓迎されていました。『へぇー人気あるんだな以外と』と思いながら見学させてもらっていると、口下手そうな若い女性が一生懸命クイズを出していました。その他の従業員を見ましたが皆明るく楽しそうに仕事をしていました。
 
 当時の感想は、『ふーんこんな感じか。まぁ僕でも出来そうだな』くらいの上から目線でした。

 アルバイトからやってみないかと言われ考えとくと返事をしました。

 彼女との結婚の事もあり、市場の夜から朝の仕事を辞め、日中の仕事にしようかと考えており、1ヶ月後に友人にやってみようかなと伝えました。

 しかし、友人は本社の人事が今新規採用を止めているから、もう少し待ってと言われました。写真家の面接をことごとく失敗していた為、焦りがでてしまい、忠告を無視して本社に履歴書を郵送。見事不採用。

バカだねぇ~本当に。

 なので資格なし、未経験で資格取得制度がある施設を自分でいくつか探し、面接をうけました。

 
< 5 / 12 >

この作品をシェア

pagetop