オフィスにラブは落ちてねぇ!!
愛美は緒川支部長の広くて温かい胸に顔をうずめた。

「私が聞きたいのは“ごめん”じゃありません…。“これで最後”とか…聞きたくない…。」

緒川支部長はおずおずと愛美の背中に腕を回して、包み込むように優しく抱きしめた。

そして、大きな手で愛しそうに愛美の髪を撫でた。

「俺は…愛美が好きです。大好きです。離したくない…。めちゃくちゃ大事にするから、ずっと俺のそばにいてくれますか?」

耳のそばで優しく囁く甘い声に、愛美は涙を流しながらうなずいた。

「ホントに大事にして下さいよ…?」

「約束する。この約束だけは何があっても守る。」

「じゃあ…この間のドタキャンは許してあげます。」

愛美が顔を上げて微笑むと、緒川支部長は心底ホッとした様子で嬉しそうに笑った。

「そのかわり、今度ちゃんとデートして下さいね。」

「うん、もちろん!」

愛美はまた緒川支部長が人懐こく尻尾を振る大型犬のように見えて、思わずクスッと笑う。

「それから…もう一度、言ってくれます?」

「ん…?」

緒川支部長は優しく微笑み、指先で愛美の頬を濡らす涙を拭って耳元に唇を寄せた。

「めちゃくちゃ大事にするから、ずっと俺のそばにいて。大好きだよ、愛美。絶対離さない。」

特別甘くて優しい声で囁いて、緒川支部長は愛美の柔らかい唇にそっと口付けた。

(私も好きです…政弘さん…。)

声に出して伝えるのはまだ照れ臭くて、愛美は心の中でそう言って“政弘さん”の背中に腕を回した。







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