もう愛情を求めない
私は認めないんだから。


新しい親なんかいらない。


あそこでずっと待っていたかった。



手をギューッと握り潰す。



「綾ちゃんは一人っ子だったでしょ?

だけどねー、ママの所は一人息子がいるから、綾ちゃんはお姉さんだよ。


ママの息子は弟になるからね」



私はおばさんの話をあまり聞いていない。


この事態を受け入れたくないまま、下を向いて歯を食いしばっていたのだ。



「慎吾ー。 おいでー」



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