もう愛情を求めない
あの時と同じで、この人たちも私を見てニコニコしている。



私は施設を見ながら、施設長に言った。



「あの子たちに、私と同じようなことを経験させないで下さいよ。


あの子達の幸せを考えて、ちゃんと仕事して下さい」



虐待する親に私達孤児を引き渡す人だからね。



まぁ頑固な彼は、私の言葉を聞き入れてはくれないけど。



「いらっしゃい、綾ちゃん。

これからは窓川家の人間だからね」


笑顔で言う義母となるおばさん。



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