もう愛情を求めない
前よりも連れ戻すのが大変だと知っている施設長は、私を怒鳴る。


周りにいる小さい子たちは、普段見ない施設長の素顔に怯えている。



しかし私には彼の雄叫びは効かない。



「私の意見を聞かないで勝手に契約したくせに、よく言えるよ」


この雰囲気で一方的に怒鳴られるのが嫌で、言い返す。



「いいから行け。

お前のいる場所はここじゃない」


腕を引っ張られながら、連れられて行く。



この状況を一変させることはできないんだ。



車の近くで待っている親がいる。



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