sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜

■パーティー=社交の場







いつものように二人で朝食をとっていた時、一ノ瀬司は新聞を広げたまま何の突拍子もなく口を開いた。



「記念パーティーで婚約者を正式に発表するが、そんなに時がない。この一週間で俺の嫁に相応しい女になってもらう。」



「…………は、い?」



思わず、お箸から出し巻き卵をポロリとお皿に落としてしまう。

一週間で相応しい女?



「何だその間抜けな顔は。」



一ノ瀬司は不機嫌そうに新聞を閉じると、私を見つめる。



「記念パーティーまでの一週間でお前を完璧な婚約者に仕立て上げる。今日から茶道、生け花、その他礼儀作法諸々を全て叩き込む。」



さ、茶道に生け花、礼儀作法諸々ってそんな!



「ちょ、ちょっと待ってください!茶道とかそういう いいとこのお嬢さんがする堅苦しいのは…それに私はそんなの上手く出来ないですし…」



お箸を置いて正面に彼を見つめ言うと、怪訝そうに眉をひそめた。



「何の言い訳か知らんが、出来る出来ないじゃない。やれと言っている。」



出たよ……俺様暴君発言。



一ノ瀬司は丁寧に、ご馳走様を言うと食器を持ってキッチンに向かった。


借りを作るのが嫌いらしい彼は、自分の食器は自分で洗うのだ。

まあ、それはそれで有難いのだけど。






< 144 / 251 >

この作品をシェア

pagetop