sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「司が私を選んだ理由、後腐れなさそうだからって、こんな勝手に好きになられて困るのは知ってる。だったらずっとさよならまで隠そうって決めてた。だけど……」
「別に、好きになるなとは言っていない。でも、今すぐにお前の気持ちに応えられるかと言われればそれは無理だ。」
やがて、信号がまた赤になり車がゆっくりと止まる。
ああ、わかってた。
この恋は上手くいかないなんて、好きだと気付いた時からわかってたのに。
でも、はいそうですかって、簡単に諦められるほど柔な気持ちでもない。
もういっそのこと、冗談だよ、なんて笑いたいのに。
この気持ちをなかったことになんて出来ない。
「今はまだ何も言えない。でも、少し待ってくれないか?」
「………え?」
待つって……
「お前の気持ちが変わらないままなら、その時また俺の話を聞いて欲しい。」
司は真摯な瞳で私を見つめた。