sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「フンッ、馬鹿馬鹿しい。この俺がそんなヘマをするわけないだろう。」
この俺を誰だと思っている?
そう、意味を込め見つめ返すと古賀はニッコリと笑顔を浮かべた。
「ふーん、振られたんだ。司にもそういう事あるんだね〜。」
なんて、吹き出しそうになりながら俺を見ては視線を逸らす。
この男……っ!
馬鹿にしてんのか!?
「司に靡かないオンナか……凄く興味あるよ。気になるな、どんな女性?」
どんなって……
今まで会ったことのない人種だな、あれは。
「就活スーツより、まだ制服が似合いそうな華奢な女だ。阿保な割に、正義感だけは一丁前。俺に意見したかと思えばかなり顔を引きつらせていたな。」
黒よりの焦げ茶色の髪を後ろに束ね、会議室に入ってきたときには焦っていたのか少し汗ばんでいた。
その姿は学校に遅刻して走って来た学生のようで。
スーツを着ているのではなく、完全スーツに着せられているような格好。
制服の方が似合っていそうな華奢な体型に、幼さを残した顔。
綺麗とは真逆なタイプ。
言うならば、小さくて可愛い、という感じなのだろう。