恋 文 日 和


「おはよ~っ!」

「おはよっ!ねぇねぇ…、」


バレンタイン当日の教室は、どこかいつもの雰囲気とは違くて。


女子のヒソヒソ話も
男子の浮き足だった感じも

全部が全部、繋がって見えてしまう。


そう思うのは、あたしも今日のイベントに参加する一人だからだろうか。

胸が、ドキドキして
カバンにしまったチョコレートがくすぐったい。




ちらっと教室を一回り見渡してみる。


…みんなは、いつ、どこで、どうやって渡すのかな?

放課後に?
場所はやっぱり教室で?



うぅ~…

一晩中考えたのに、深く考える程
ちゃんと渡せるか不安になってきてしまった。



頭を抱え、ぐるぐると思考回路を巡らせていると

「おはよ、」

「…ひゃっ!!」

突然肩を叩かれ、声が間抜けな程ひっくり返るあたし。



「か、かか神楽くんっ!」

「ぶっ、どーした?何か考え事?」

振り返ると、笑いを堪えた神楽くんが自分の机にカバンを置いた。



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