14年目の永遠の誓い

「今日も暑いね」

「ホント。先週まで涼しかったのにな」



ゆっくりと、ハルの歩調に合わせて、教室へと向かう。
この幸せな時間も、今日までで少しお預け。



「ハル、通知表、楽しみだろう」

「んー。そうだね。珍しく、2回ともちゃんと試験受けられたもんね」



ハルははにかむように笑った。

もし心臓に持病がなければ、ハルは明兄が行く国内最高峰の医学部にだって、軽々とストレート合格したんじゃないかな?
うっかり、そんなことを考えたオレは、絶対に自分が入るのはムリな大学名を思って、思わずため息。



「どうしたの?」

「いや、……ハル、本当に頭良いよなって思って」

「そうかな?」



いや、良いだろ。

授業さえ聞いていればテスト勉強がいらない時点で、オレとは根本的に頭の作りが違う。
ただ、授業を受けられない日と、体調が悪くて授業内容が頭に入らない日も多いからって、ハルはちゃんとマメに予習復習してるけど。



「うーん。成績表、怖いな」

「カナだって、悪くないよね?」

「……オレのは普通。せいぜい、中の上だろ?」



オレが苦笑すると、ハルはクスクスと笑った。



   ☆   ☆   ☆

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