青空からのサプライズ
カサブタが増えても、孤独だった


講義を聞いてても、陽太と喧嘩しても

つまらなかった


笑えなくなった



前にもこんなことあったなぁ



とか、他人事みたいに思う



どうでもいい



その言葉がピッタリ



「入院しましょう」



検査の結果が悪かった

今すぐに


と言われなかったのが、救い



あたしは、浩一君に嘘をついた


研究所の仕事とか知らないし、いいよね




お返し、とばかりに


毎日来てくれる奏汰

看護師さん達から、お似合いのカップルと

冷やかされる

その度に

「彼氏が来れないので、代わりですよ」

代わり……してくれてたんだ?



奏汰が行きたいところを聞くから

天国だと言った日


初めて奏汰のイラッとした顔を見た

だけど、奏汰があたしに言ってくれた言葉は、やっぱり奏汰らしい

生きることをそれとなく勧めてくれる

素敵な言葉


「奏汰のそういうとこ、尊敬するよ!
あたしは・・・」


〝奏汰の彼女になりたかった〟



危なく言い掛けて、やめた



だって、あたしは浩一君が好きで

奏汰が好きな訳ではない


奏汰を身代わりになんて、酷いことを

考えた


あたし、ちっとも成長出来てない


話しているうちに



奏汰には、片想いの人がいて

先立たれたんだと知った


だから、あたしに生きろって

言ってくれるんだね


あたしは、初彼に先立たれたとき

自分が後を追うことしか考えなかったな


最低……


これじゃ、天国どころか地獄も

お断りされて、成仏出来ないかも



こんなあたしが、奏汰の彼女なんて

あつかましい!!!


片想いの彼女さん!!ごめんなさい!!



応援しなきゃ!!!


久しぶりに笑えた



奏汰の為に、新しいバンド作るぞ!!



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