幼なじみの罪ほろぼしと恋心

喉が渇いて、頭が痛くて、土曜の朝は最悪の目覚めだった。


あ―これは完全に二日酔い。


そんなに強くないのに、昨夜は自棄酒とばかりに飲みすぎた。


かなり身体がだるいけど、喉の渇きに耐え切れずにしぶしぶ起き上がり部屋を出て一階に降りる。


キッチンに入り冷蔵庫から私用のミネラルウォーターを取り出していると、お母さんが現れた。

私の様子をじろっと見ると、それは嫌そうに顔をしかめる。


「本当にだらしないわねえ……誰に似たのかしら?」

溜息交じりに言われたけれど、しょっちゅう言われている台詞なのでもう慣れてしまっていて、今更何も感じない。

それにお母さんが言う程極度にだらしないとも思ってないし。


土曜の朝。二日酔いの黒ずんだ隈の出来た顔で、パジャマのままフラフラしてる人なんて沢山いると思う。

むしろ、土曜は平日の仕事と遊びで疲れてダラダラしている人の方が多いんじゃないかな?


ミネラルウオーターのペットボトルの蓋を外して口に運び、ゴクゴクと喉に流し込む。

冷たい水が身体に染み渡って、ああ気持ちいい。

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