幼なじみの罪ほろぼしと恋心
ムカムカしていた胃も少しはましになった気がする。

でもまだ眠いしダルイからもう少し寝ようかな。


そう思って二階に上がろうとすると、お母さんの小言で阻止された。


「まさかまだ寝る気?」

「え……ちょっと具合悪いから休もうと思って」

「具合悪いって二日酔いでしょ? そんなの身体を動かせば直るわよ」


お母さんはどうしても私の睡眠を邪魔したいのかやけに突っかかって来る。


「本当に情けない。昨日だって大樹君に迷惑かけて、恥ずかしいと思わないの?」

「……大樹?」


その名前を聞いた途端、頭の中に昨夜の出来事が思い浮かんだ。



大樹は真剣な目をして私を見つめて言ったんだった。


『花乃が好きだった』

『俺諦めないから。覚悟して』


それだけじゃなく、『花乃を奪われたくない』とか『誰にも渡さない』とか、信じられない位に過激な発言をしていた。



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