幼なじみの罪ほろぼしと恋心
うちのお母さんはもう25歳になる娘に対して口煩すぎる。


精神的に疲れ果てて少し前に起きたばかりのベッドに倒れこむ。

ふかふかした布団に突っ伏しているとまた眠気が襲って来る。

……今日はもうダラダラと身体を休める日にしようかな。


休みの日に何もしないのってなんとなく無駄な時間を送ってしまう気がして躊躇うんだけど、今日は特別だ。


何しろ昨日こっぴどく失恋したばかりだし、完全に恋愛対象外だった大樹にまさかの告白までされて心がとっても乱れて疲れている。


うん、そうしよう。今日は休み。

素早く割り切って私はぬくぬくと布団に包まる。

ああ……気持ちがいい。癒される。


あっという間に瞼が重くなって来る。
このまま頭も心も休めよう。


そうしてあとほんの少しで夢の世界へ突入しようとしていたところで、

「花乃!」

ドンドンと扉を叩く音と、お母さんの甲高い声が聞こえて来て、私はぱちりと目を開きそれから大きな溜息を吐いた。


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