幼なじみの罪ほろぼしと恋心
「焦るのは止めた。こうやって少しずつ花乃と距離が縮んで行く様に頑張るよ」

「え?」


振り向くと、大樹はにっこりと笑って言った。


「思った通りよく似合う」

「え?」

「ネックレス」

「あ、ありがとう」


私はお礼を言いながら、すっかり気に入ったネックレスにそっと触れる。



今日は私の人生初デート。


彼氏でも無い、幼馴染の大樹に強引に誘われて来たけど……良かったな。


大樹といると楽しいし、私らしくいられる気がする。


「花乃、そろそろ行こう。映画でも見ようか?」


大樹が手を差し伸べて来る。

その手を取るのに私はもう躊躇いは無い。


この後の楽しい時間を予感しながら、温かい手をそっと掴んだ。


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