幼なじみの罪ほろぼしと恋心
「花乃」

「何?」


振り向いた私の前で、大樹はネックレスを手にしたまま少し緊張した面持ちで言った。

「花乃は俺の事どう思ってる? まだ嫌いで許せない?」

「えっ? な、何で急に?」

「急じゃない。昨日も聞いただろ?」


そ、そうだけど、今突然そんな話題に移るなんて思わなかった。


……私は大樹の事をどう思ってるんだろう。


ずっと嫌いで避けていて、まだわだかまりが解けたばかりだし……でも、


「嫌いで許せないなんて思ってないよ」


それははっきりとしている。


須藤さんに憧れていた時の様なときめきは無いけど、一緒に居ると結構楽しい。


恋をする様な好きじゃなくても、私は結構大樹が好きなのかもしれない。


「良かった」

大樹は花が咲いた様にぱあっと明るく笑った。

本当に嬉しそうな顔。


「花乃、あっち向いて、ネックレス付けるから」

「あ……うん」


大樹に促され、私はまた大樹と同じ方向へ向く。

大樹は今度はちゃんとネックレスを付けてくれた。


胸元に温かなゴールドの光が揺れる。


それをぼんやりと眺めていると、大樹の声が聞こえて来た。

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