幼なじみの罪ほろぼしと恋心
「うわ面倒そう。あいつって仕事でも自分のやり方貫きそう。我が強すぎるんだよね、なるべく話さない様にしなよ」


沙希がサラダをつつきながら顔をしかめて言う。

あの飲み会以来、沙希も須藤さんが苦手となってしまった様だ。


「でも、同じ顧客を担当するのに話さない訳にはいかないでしょう? 困ったね」

美野里は同情してくれてるのか顔を曇らせて言う。

そうなんだよね、美野里の言う通り、一緒に仕事をする以上避けるにも限度が有るんだよね。


がっくりしていると、沙希は私のフレンチトーストをちょっと羨ましそうに眺めながら、言った。


「花乃ってすっかり須藤さんを苦手になったね。前はあんなに好き好きって言ってたのに」

「……わざわざ二回も好き好きなんて言わなくていいよ」

「何、その嫌そうな顔。須藤さんに夢中だったのは本当でしょ」


沙希にずばりと言われ、私はグッと言葉に詰まった。


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