幼なじみの罪ほろぼしと恋心
だって言い返せない。


須藤さんの強烈な性格に少しも気付かずに、表面上の姿だけを見て恋をして浮かれていたのは事実だから。


「沙希、言い過ぎだよ。花乃は経験が少ないんだから須藤さんみたいなタイプに騙されるのは仕方ないよ」


美野里のフォロー?に私は複雑な想いで頷いた。


ほんと、私だけなんだよね。須藤さんの本質に全く気付いてなかったのって。

ふたりはあの飲み会の前に気付いていたみたいだから。


「私は花乃があんな自己中モラハラ男と付き合わなくて良かったって言ってるんだよ」

「そうだね。須藤さんと付き合っても花乃は幸せになれないよね」


沙希と美野里は私をスルーして話し込んでいる。


須藤さんとの仕事の件を相談していたはずが、すっかり脱線してしまったようだ。
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