幼なじみの罪ほろぼしと恋心
「……ごめん」


迷惑かけて。

大樹の仕事は決して暇なはずは無いのに突然休ませてしまって。

私が体調管理が出来なかったせいで。


もう社会人だって言うのに、私何をやってるんだろう。


自己嫌悪に陥りながら大樹と一緒に階段を降りる。


タクシー乗り場は並んでなくて、直ぐに乗れた。


大樹がうちの住所を告げると車がすっと走り出す。


「いいよ、寝てて」


大樹は私の肩を引き寄せながら言う。


タクシーの揺れのせいなのかもしれない。
目を開けていられない。


「大樹……ごめんね」


私はゆっくり目を閉じた。
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