幼なじみの罪ほろぼしと恋心
「青山さんってさ、男いないだろ? 反応がいちいち中学生みたいだし。初めの一言が“電話取ってくれてありがとうって”……それどんなセンスだよ。俺笑いそうになるの耐えるの大変だったんだけど」


流暢に私を貶す須藤さん。


もう聞きたくないけど、あまりにショックを受けると身体って動かなくなるみたい。

ただ突っ立って居る事しか出来ない。


「なんかさ彼女話題を広げたそうにしててさ、気付いたけどスルーしておいた。だってどうせつまらない話ろうし」


須藤さんが楽しそうに言うと、他の男性も合わせる様に笑う。


「ああいうのを恋愛処女って言うんじゃねえ?」


私……須藤さん以外からも馬鹿にされてるんだ。


あまりに居たたまれなくなり、もう消えてしまいたいって思ったところで美野里の怒りに満ちた声が聞こえて来た。


「さっきからあまりに失礼じゃないですか? 今日は楽しく飲む為に集まったんじゃないですか?」


普段大きな声を出す事のない美野里が、棘の有る高い声で言う。


一瞬場が静まったけど、直ぐに男性達のふざけた笑い声が響いた。

< 95 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop