Epsode of secret【完】





シクシクと泣き真似をし始める金髪の青年に対し黒髪の男はそれを冷ややかな眼で見ている。



「はるるん…いつにも増して冷たいね…。でもそこに痺れる!!」

「きも」


そう即答する黒髪の青年。


「じゃあ、そろそろ行くわ」

「あいあーい。もう二度と時差ボケするなよー」


本来なら今日入学式を迎えているはずの黒髪の青年は時差ボケという理由で欠席している。


今から日本へ戻るというのに当の本人はのんびりと行動しているという事実に金髪の青年が若干呆れながら手を振っていた。


「…わざとじゃねーよ。明日入学式だと思っていたんだもん」

「…はるるん、もんって何?はるるんが使うと可愛く見えるのは俺の気のせいなのかな?」


むすっ、とした顔で入場ゲートに向かう黒髪の男。


彼等は知らない。


次に会う時に黒髪の男の隣に可愛らしい女性が隣に立っているということを。




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