私は先輩の浮気相手。
お母さん口調で言う唯に、少しむかつく。
「成長って意味わかんない」
「つまり、しゅうから離れることが出来たんでしょうっ?」
「…ううん。多分まだ」
心の中で、何かが突っかかっている。
でもそれに気づいちゃダメだって、何でか思う。
「でももういいの。
先輩が支えてくれたんだから。
あたし前を向くよ」
「かすみっ……、それでこそかすみよぉっ」
唯があたしの手を握って、何度も頷いていた。
―でも。
浮気相手って、何かイケナイ感じだよね…。