私は先輩の浮気相手。





作業に取り掛かる途中、雨が降り始めた。



「あ、傘なかったや....」


唯がぽつりと呟くと、隼人が席を立った。



「唯と先帰っていい?

ほっとくと、風邪引きそうだし。」


「ひ、引かないよ!」



「いいよ。唯、後は何とかなるから」


「ありがとう、かすみ...。

今度駅前のカフェ行こうねっ!」




唯に手を振って、また作業に目を通す。

視界がぐらぐらして、何でか気持ち悪い。




あたし、もしかして風邪引いてるのかな――。


「なつみ。温かいモン買ってくるなぁ」


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