鈴木くんと彼女の不思議な関係

「わかった。ありが、、」
礼を言おうと清水の顔を見上げて、ぎょっとしてしまった。どういうわけか、清水の瞳が涙で潤んでいる。
「多恵が、、初めてとか言って、、鈴木が、、あんなに、、」
涙が一筋、頬を伝ってこぼれ落ちた。
「えぁっ? なんでっ?」
なんでお前が泣く?
「多恵が。。。。」
「おっおお落ち着け。どうした。何でお前が。。」

清水は俯いたまま嗚咽をこらえ始めたので、俺は慌てて立ち上がって、席を空けた。
「ほら、ここ座れ。」
とにかく座って落ち着け。清水。

俺がせっかく席を空けたのに、清水は席に座らずに俺の胸ぐらを掴んで、俺の制服の胸に泣き顔を押し付けて来た。
「おっおい!清水っ。」

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