鈴木くんと彼女の不思議な関係
私達って、何だったのかしら?

「別に、つきあってなんかないわよ。」
「俺達は付き合ってるわけじゃないんだ。」

 俺と清水の不思議な関係は、親しい友人にはそれなりに理解され、校内では都合良く誤解されたまま、2学期が過ぎて行く。

 放課後、帰り支度を整えた俺が目を上げると、清水が俺を待っていた。

「鈴木も行くでしょ?」
「もちろん。」
布施も誘って、連れ立って体育館へ移動する。今日は各部合同のクリスマス公演が催されるのだ。

「多恵が舞台に立つんだって。聞いた?」
「聞いたよ。でも台詞も無いんだろ?」
「ちょっとだけだけど、歌って踊るらしいよ。」
「へぇ。そりゃあ、楽しみだ。」

「美波は可哀想だったなぁ。。」
「本当に悔しいだろうね。」

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