鈴木くんと彼女の不思議な関係
「おおっ。由里様 天才!素敵すぎる!大ウケ間違い無し!これで決まり!すばらしい!」
布施は大喜びで叫び声をあげ、ぴょんぴょん踊りながら教室の方へ走って行った。クラスのみんなに報告へ行くのだろう。
「俺、ジュリエットの乳母やろう!っとぉ~。」
布施の能天気な声が遠ざかっていく。
「。。。冗談はやめろよ。」
役者でもない俺が、女物のドレスを着て主役とか。。ありえないだろ。
「美人なら何でも思い通りになると思ってるって、あなた言ったよね。」
「そ、そうだっけ?」
こいつ、何を言ってるんだ?だめだ、上手く頭が回らない。
「私だって、好きでこの容姿に生まれたわけじゃないの。目立てばそれだけ妬まれるし、意地悪もされる。わからない?」