鈴木くんと彼女の不思議な関係

 宝塚的な舞台にすれば、初めての役者でも照れや羞恥心を一気に飛ばして、それなりに仕上がるかもしれない。清水を頂点に女子達の華やかな共演的な舞台にすれば、なんとなくまとまるような気がする。

「おお、ナイスアイデア!」
 布施も無責任に喜びの声をあげる。本当に調子だけはいいヤツだ。だが、さすが清水だ。これで全てまるく納まるではないか。

「分かった。みんなに話してみよう。そうすると、舞台の上は女子だけになるが。。。でもまあ、男子も舞台に立たなくても大道具とか、やることはいくらでもあるしな。よし、それで良いかみんなに聞いてみるよ。」

「話は最後まで聞きなさい。条件はもう1つある。」
「なんだ?」

「ジュリエットをあなたがやって。」
「は?」
「私がロミオ。あなたがジュリエット。それなら出ても良いわ。」

あなたって、布施じゃなくて俺か?俺を見て言ってるよな。俺がジュリエット?この体格で?

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