鈴木くんと彼女の不思議な関係

「多恵さえ良ければ、アイスぐらい奢ってあげるわよ。」
「えっ。でもでも、テスト中ですよ。」

 確かに、多恵は普段、全力で部活に出ているのだろうから。テストの時くらいは帰って勉強しないと、まずいのだろう。余計なことを言ってしまった。でも久しぶりだし、今日の多恵はすごく可愛かったんだもの。仕方ないじゃない。

 頭の中で言い訳していると、多恵がオズオズと訊いて来た。
「先輩は大丈夫なんですか?」
「私達は、もうずーっとテスト中みたいなもんだから。学校のテストだからって、何も変わらないよ。」
「だったら、少しだけ、あの。。」

嬉しそうに頬を染めた多恵は、何か私に話したい事があるようだった。だったら私だって、OKに決まってる。

「多恵が大丈夫なら、ちょっとだけ行こうか。ソフトクリーム?それともイチゴシェイク?」
「イチゴ!」

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