甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
「ミヤコのセンスは素晴らしい。
君のその手から生み出される作品を、もっともっと見たいよ。じゃ、楽しんで」

ニカッと白い歯を見せ、手をヒラヒラさせて、会場奥へと消えていった。

「今の彼が、エド・シェラトン⁉︎

素敵ぃ〜シュウさんのような、わんこ系イケメンもいいけど、エドのようなワイルドなイケメンもいいわ〜」

「美希子先輩、今日はお花の展示会に来たんですよ〜

ほら、あの辺に美希子先輩の好きなパステル系の薔薇がたくさんありそう!」

イケメンの展示会じゃないの〜と美希子先輩の手をぐいぐい引っ張る。

モーヴピンクと白の薔薇、淡いグリーンと深緑のアイビーの蔓が所々に絡んでいる。

清々しいアレンジ…"宮澤 シュウ"のタグ…

入り口のアーチが"可憐な少女"なら、こちらは"清純で控えめな淑女"だ。


異なる傾向の作品なのに、どちらも"フローリスト シュウ"らしい作品。

いつも飄々としていて、おしゃれなオーナー風情のシュウさんだけど、やはりプロ。

「…さすがです。シュウさん」


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